不本意ながらのイタリア生活

イタリア人彼に出会い渡伊した女の日記

強制送還

ジョコビッチがオーストラリアでビザ取り消しのニュースを見てあるとき私の友人も収容されたことを思い出した。それはもう5年前のことになるが…

 

私はオーストラリアに約5年間住んだ。苦い体験もたくさんして今はそれなりにあの国のルールや法律について詳しくなったと思っている。※ただし法律は毎年変わる。そして性格も強くなってしまった。ひとりで外国に住んだり旅するのであれば賢く強くあった方が得で安全なのでしょうがない。

 

収容の話に戻るが、オーストラリアにはどの国にもあるように違法なキャッシュワークがある。ペイスリップという給料明細をもらわないつまり税金を払わず、決められた時間以上そしてビザがなくても働けるわけである。ワーキングホリデーの場合一定の額を超えて稼ぐと年度末の税金がぐっと上がってしまうし、学生は週一定の時間を超えるとビザ失効になるので需要があってしまう。ちなみに豪州では7月からの1年でのお給料で税金が決まるので稼ぎたい人は1、2月に入国するといい(2年前の状況)。

さてその友人はワーホリ期間を終えた後に出国し旅に出て、再入国し同じバイトをキャッシュワークで続けようとオーナーとも話がついていた。入管にも目を付けられるのがわかっていたのですべてのメッセージを消し入念に準備していたが、たった1つメッセンジャーの連絡を消し忘れてしまい、それを見つけられて強制送還になってしまった。携帯を没収されメッセージをすべて翻訳されたらしい。

そうなってしまえばまだ契約中のアパートにも戻れないし銀行の口座を閉鎖することもできない。限られた時間で私とビデオ電話し最低限いるものをスーツケースに入れて収容施設にもっていった。友人は緊張がほぐれたのか涙をこぼし、終始寂しそうであった。もう二度と戻ってこないことを条件に政府にチケットを買ってもらうか、何年後からかは入国できることを条件に自費で払うかの選択肢を与えられ、友人は後者を選び2日後には日本へ発った。

当時収容施設には自国に帰国したくない子供のいる家族や別に心細くもなさそうなアジア系の若者などがいて当時自分なりにいろいろ思い、日本人であること帰国できる国と家があることをありがたく思った。

日本を出て初めて分かるいいところが毎年毎年増えてゆく。